患者は肥満の中高年男性に多いが、痩せている女性にも患者が増えている。しかも日中に眠気を感じない患者もいるので、注意が必要だ。
「眠くなくても慢性疲労がある方、周囲から大きないびきを指摘された方、事故を起こした方は医療機関での検査をお勧めします。そこでは手の指などにパルスオキシメーターを付け、酸素飽和度を調べます。また鼻の下に気流センサーを付けて、いびきや気道の狭窄、閉塞などの呼吸状態を調べるのです」(谷川教授)
多忙な方には医療機関を受診する目安として、睡眠呼吸障害の程度を自宅で判定できるスクリーニング検査もあり、NPO法人睡眠健康研究所が実施している。簡易検査では脳波による睡眠の深さなどの詳細なデータまでは取れないが、障害の程度はわかるので、重症と診断された場合は簡易検査後、直ちに持続陽圧呼吸(CPAP)療法を始めることができる。これは鼻に装着したマスクから、気道へ空気を送り込む治療法だ。
その結果、多くの患者が爽快な目覚めを取り戻している。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2018年3月2日号