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フィギュアスケートの「ポロリ」には減点なし

はだけたままの演技(dpa/時事通信フォト)

 平昌オリンピックで前代未聞の事態が起きたのは2月19日の昼時。フィギュアスケートのアイスダンス・ショートダンスにおいて、フランスのガブリエラ・パパダキス(22)・ギヨーム・シゼロン(23)組の演技中に、パパダキスの衣装がはだけてしまったのだ。

 演技開始約10秒後、シゼロンに抱きかかえられた際に衣装の首のホックが外れ、胸の下まで下がり、彼女のバストトップが露出。その様子はNHK(BS1)でも生中継された。しかし、実況を務めたNHKの男性アナは冷静だった。演技を振り返るVTRが流れると、スロー映像でバストトップが画面に映し出されたが、「音楽に溶け込むように要素をこなしていく」などと、淡々と実況し続けた。

 今回の五輪では、11日にも韓国のミン・ユラがアイスダンスの演技中に背中のホックが外れ、肩からずり落ちるハプニングがあった。なぜこんなに多いのか。フィギュアスケート元日本代表の渡部絵美氏が語る。

「アイスダンスは、男子選手が女子選手の体に触れるシーンが多いので、コスチュームが外れたり破れたりしやすいのです。ビーズ一つ落ちただけで減点になるので、選手は本来は入念にチェックします。私はなにか起きた時のために必ず同じデザインのものを2着持って行っていました」

 国際スケート連盟(ISU)によれば、衣装は「過度に裸体を見せるものであってはいけない」という規定があるだけで、“ポロリ”の減点はない。パパダキス組は、はだけたまま踊り続け、銀メダルを獲得。トップを出してもトップにはなれなかったが、その演技への集中力と話題性は金メダル以上だった。

※週刊ポスト2018年3月9日号

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