ビジネス

チューハイ市場続伸 果汁感か高アルコールかで人気は二分

本格ストロング系の新ブランドで勝負に出るキリン

“ビール離れ”に歯止めがかからない。13年連続で出荷量が減っているうえ、安売り規制強化で昨年6月に施行された酒税法改正による店頭価格のアップも追い打ちをかけている。

 いまやお酒を好んで飲まない若者だけでなく、日頃からビールを愛飲してきた中高年でさえコストパフォーマンスを意識してビールの購入をためらう傾向が強まる中、右肩上がりの売れ行きをみせているのが、チューハイやハイボールなど蓋を開けてすぐ飲める「RTD(レディー・トゥ・ドリンク)」と呼ばれる低価格のアルコール飲料だ。

 キリンビールの推計によると、2011年に1億1600万箱(1箱=250ml×24本換算)だったRTD市場はその後も伸び続け、2018年はついに1億9000万箱を超える見込みだという。

 ビール類からチューハイなどへのシフトが進んでいることに加え、世代に関係なく“家飲み”の人口が増えていること、そして各メーカーから多数のRTD商品が発売されているため、飲み比べする消費者が増えていることなどが市場伸長の要因だと同社は分析している。

 確かに、スーパーやコンビニ、ディスカウントストアなどで酒類の棚を見ると、ビール系よりもチューハイやハイボール類の存在感が際立っているのにお気づきだろう。あらゆるメーカーからバラエティ豊富な商品がずらりと並んでいるため、定番のレモンチューハイでも、どのメーカーのどのブランドを買うか迷ってしまうほど。

 しかし、ここにきてRTD人気は二分化してきたようだ。とにかくストロング系(高アルコール)の商品を選び少ない量でガッツリ酔いたいか、より果汁感のある商品で食事中でもスッキリした味わいを求めるか──の二択だ。

 そこで、大手4社の新商品から各社のRTD戦略を探ってみた。

 これまでRTDナンバーワンブランドの『氷結』や、素材の良さを訴求した『本搾り』など、どちらかというと果汁感の高いチューハイで市場を牽引してきたキリン。氷結シリーズにはアルコール度数9%の商品もあるが、4月にはストロング主飲用者をメインターゲットにした新ブランドを発売する。その名も『キリン・ザ・ストロング』だ。

「ストロングユーザーの多くは、ストレスフルな毎日を送る責任世代の40代男性。日々蓄積するストレスをスカッと解消して1日の疲れをリセットしてくれる商品としてストロング系が選ばれていますが、今のストロングでは物足りず、もっと強い刺激や飲みごたえのある商品を期待する声も多いんです。

 そこで、炭酸感、味わい、アルコール感を強めた“トリプルハード製法”でつくったこの新ブランドで、ストロング市場の代名詞になりたいと思っています」(キリンビールの山形光晴マーケティング部長)

 キリン・ザ・ストロングのパッケージにはビール銘柄でお馴染みの“聖獣”マークが大きく描かれている。チューハイブランドでは初の採用というだけに、同社のRTDにかける意気込みがうかがえる。

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン