一方で、1967年に休刊した『映画の友』の知名度は依然高く、どこかで使えないかと思っていた矢先でした。こうして、『映画の友』の編集長を務めていた映画評論家の淀川長治さんの承諾を得た上で、1976年に『EIGA NO TOMO』を創刊したのです。ローマ字表記にしたのは淀川さんと『映画の友』のファンに対する仁義みたいなものです。

 創刊から1年で隔月刊から月刊化したのは、売れ行きがよかったからです。創刊当初の部数は3万~4万部。出すごとにこの数字が伸びていきました。新しい編集者を雇う余裕がなかったため、業務は『近代映画』のスタッフに手伝ってもらいました。当時、『近代映画』の発売日は毎月21日でしたから、その校了後に、今度は10日発売の『EIGA NO TOMO』の仕事に取り掛かるといった具合でした。

◆カメラマンが張り付いた

 スタッフの頑張りもあって『EIGA NO TOMO』は大成功を収めたわけですが、その一方で他社から、いくつも類似誌が創刊されることになりました。しかし、脅威になったものは一誌もありません。

 他社と最も違ったのは、ロマンポルノの撮影現場に、常に自社のカメラマンを張り付かせていたことです。『EIGA NO TOMO』のカラーグラビアを彩ったのは近代映画社オリジナルの写真でした。他社は、映画会社からの提供写真で構成せざるを得ません。この点だけでも誌面作りの自由度がまるで違ったといえます。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン