たとえば、ファミリーマートが2016年11月から販売を開始した「ファミマでライザップ」というライザップとのコラボ商品がそれだ。コラボ商品はスコーンやワッフル、サラダ、パスタ、チキンバーなど多岐にわたり、包装紙が黒とゴールドのカラーをあしらった効果もあって、店頭でも目立つ商品群になっている。
もっともこの提携事業スタートにあたって、ファミリーマートの澤田貴司社長は「震源地は青山(=東京・港区北青山に本社がある、ファミマの親会社である伊藤忠商事)」と語っていた。これは、伊藤忠の岡藤正広社長(4月から会長兼CEOに就く予定)がライザップのジムに通ったことが縁で、ライザップの瀬戸健社長と親しくなったことがきっかけとなり、伊藤忠からのサゼッションで始まったコラボ事業であることを指している。
消費者にとって、テレビCMなどを通じて記憶に残っているライザップとのコラボ商品ならと思わせるインパクトがあっただろう。が、これもここまで一定の成果は上げているものの、爆発的な大ヒット商品が生まれたという話は聞かない。
そしてSEJである。これまでも同社では、177工場のうち、実に164工場がセブン‐イレブン向けの“専用工場”という強みをアピールし、その専用レシピ、専用設備、専用の原材料であることが、美味しいうえに安心、安全もしっかり担保できる理由だと主張してきた。
先の説明会でも、1990年代末以降、イーストフードや保存料、合成着色料、トランス脂肪酸やリン酸塩などを順次、不使用にしてきたことを告知してきた。ただ、それでも消費者の「コンビニの商品だから、やっぱり高カロリーや添加物使用商品ではないか」といった疑念が払拭し切れていなかったという。
そこで今回打ち出したのが“カラダへの想いこの手から”というコピーで、この文言のロゴマークを、健康にこだわった商品(レタス1個分の食物繊維量が摂取できる食材を使用した商品、あるいは1日に必要な野菜摂取量の2分の1以上を使用した商品)に添付していくことを宣言した。
その第1弾としてこの3月からの第1四半期(大手小売業の大半は2月期決算のため)にまず、おにぎりや弁当、スープ、温かい麺の商品で対応商品を売り出し、第2四半期、第3四半期、第4四半期と4回に分けて順次、対応商品ジャンルを広げていく予定だ。