患者に与えるメンタル面でのケアができるかどうかもきちんとした歯医者か否かを見極めるポイントとなる。
「ヒビが入ったり、割れた歯を放置して重大な病になることはあり得ません。保険点数を稼ぐため、脅しに近い形で抜歯を勧めるケースもある。患者に希望を持たせるのが私たちの仕事。驚かせたり過度に不安をあおるような歯科医は論外です。経営状態が苦しい閉塞的な状況に長くいると、正しい判断ができなくなるのでしょう」(斎藤院長)
日本の多くの歯科医は、歯周病やインプラントなど各分野の学会に認定医として認められることで、得意分野を明確化している。斎藤院長が説明する。
「基本的には、認定医だから安心ということはありません。もちろん、強い意志を持って認定医として頑張っている歯科医もたくさんいますが、お金と時間をかけて講習を受ければ、認定医の肩書を誰でも得られる学会もあります。そのため、名ばかりの認定医が輩出されてしまう現状もあります」
また、子供にとって居心地のいい診療所は、どこを見ればわかるのか。小児歯科に詳しい、橘こども歯科医院の鈴木さち代歯科医師が説明する。
「例えば小児歯科の診療所を訪れた際、3~4才の子の身長である高さ1mほどの位置に、危険な物が置かれていないか、家具や物の配置に気が配られているかなども判断材料です。歯科医の子供への対応としては、子供の目線まで腰を落として話してくれるか、子供に『痛かったら手を挙げてね』と伝えるなど、子供の意思が尊重されているかなどをチェックするといいと思います。
母親への対応としては、時間をかけて生活習慣も含めた治療方針を説明してくれるか、複数の診断法や治療法を提示してくれるかなどを見るといいでしょう。
2才くらいの小さな子供に、痛みがあるのに麻酔をせずに治療を行う歯科医も多く見かけます。大人でも耐えられないのに、かわいそうですよね。小さい時のこうした経験によって、歯科治療が苦手になる人は多いと思います」
※女性セブン2018年3月22日号