そして、現在の文在寅・韓国の平和ボケを予言するかのような言葉を発したことが大変印象に残っている。大韓航空機爆破事件から6年しか経っていなかった当時、すでに韓国では北朝鮮への関心が薄まり、緊張感が感じられなくなっていた。平和ボケに陥ってしまったのか、という私の質問に彼女はこう答えた。
「それは私も感じています。多くの人々が北について知りたがっているし、統一を願ってはいますが、北がいかに経済的に貧しく、金体制がいかにひどいかなどという話には、あまり関心を持たないんですよね。実感もできないようですし、『北朝鮮はもともとそういう国家よ』と言ってまるで無関心なのです」
※SAPIO 2018年3・4月号