◆「AI任せ」にできない部分も
ただし、「AI予測にはまだまだ課題も多い」と村井氏はいう。3月1日に沖縄・西表島で震度5弱の地震が発生したが、AI予測で同地域は「レベル0」となっていた。
「1月27日までの電子基準点データを元にしたAI予測では、西表島を含むエリアはレベル2でした。しかしそれ以降(2月10日までの2週間)のデータを元にAIが予測するとレベル0となった。毎週、新たなデータが更新されていくなかで、そうした変動をどう判断していくかは、まだAI任せにはできない部分がありそうです」(村井氏)
村井氏は今後、運用を重ねて精度を高めつつ、AI地震予測を定期的に公表していく予定だという。
「AI予測を含め、我々の地震予測は発展途上です。そのことを踏まえていただいたうえでお願いしたいのは“当たったか否か”だけに注目せず、予測を防災に役立ててほしいということです。
常に警戒レベルをチェックするなど情報入手を怠らないことが、防災意識を高める何よりの助けになるはずです」
「地震予知」のさらなる前進を、地震大国・日本に住む多くの人々が願っている。
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※週刊ポスト2018年3月23・30日号