「2カ月に1度開催されるクラフト&ファーマーズマーケットでは熱海銀座を歩行者天国にして周辺在住の作家の作品や農家の野菜を販売。6000人が訪れる熱海の新名物となっています。多言語のパンフレットを用意したり、海外にCM広告を出したりという取り組みも行っています」
ほかにも、注目の温泉地は多い。
「たとえば秋田では、県と金融機関がタッグを組んで秘湯を売り出しています。日景温泉ではアンテナショップを設置して、県産品を販売するなど戦略的です。人気のある有名温泉地だけではなく、地方の小さな温泉にこそ、日本の温泉らしさが残っていることに観光客も気づき始めているのです」(前出・井門さん)
外国人観光客の増加にともない、トラブルが生じることもあるが、寛容な心で各地は受け入れている。NPO法人別府八湯温泉道名人会の佐藤正敏理事長が語る。
「湯船の中で髪を洗ったり、タオルを入れてしまったり。でも、こちらとしては、外国人にも温泉を楽しんでもらいたい。最近は注意書きを整備していますし、マナーを調べてくる外国人も多いので、大きなトラブルは減ってきました」
各地の名湯の頑張りで、温泉大国ニッポンが世界に名乗りを上げている。
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号