国内

ノーパンしゃぶしゃぶ事件で112人が処分された末の教訓

ノーパンしゃぶしゃぶ事件から20年(時事通信フォト)

 森友学園問題をめぐる3月27日に国会での証人喚問に登場した佐川宣寿・前国税庁長官がまだ銀行局課長補佐だった20年前に起きた「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」(大蔵省接待汚職)の時、「官僚の中の官僚」と呼ばれた大蔵官僚(現在の財務官僚)たちによって構成されたこの役所は、政治家を出しぬくしたたかな人事で組織を守ったことがある。

 接待汚職事件では佐川氏と同期だった証券局の課長補佐が収賄容疑で逮捕され、3人の自殺者も出た。三塚博・蔵相以下、小村武・事務次官、「接待王」の異名を取った長野厖士(あつし)・証券局長らが引責辞任し、112人が処分された。

「当時、大蔵省は国民の激しい批判を浴び、与党内から解体論が高まっていた。小村次官ら中枢幹部は斎藤次郎・元次官ら大物OBと相談し、将来の次官候補だったエース、武藤敏郎・官房長を温存するために総務審議官に降格処分にしたように見せかけて、批判をしのぐと1年後に2階級特進させて主計局長に出世させ、2年後に次官に就任させるという神業人事をやってのけた」(同省OB)

 武藤氏は中央省庁再編で初代財務次官を務め、日銀副総裁を経て現在、東京五輪組織委員会の事務総長を務めている。

 引責辞任した小村次官は日本政策投資銀行総裁、次官コースに乗りながら退任を迫られた涌井洋治・主計局長は「大物次官の指定席」といわれる日本たばこ産業会長という有力な天下り先を用意され、「組織を守るために泥をかぶった者は天下りで処遇する」という人事の鉄則を貫いた。

 当時と比べると、財務官僚の組織防衛能力そのものがはっきり低下している。

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン