東京の桜が見頃を迎え、新生活が始まるこの春、新国立競技場の工事は新たな局面を迎えた(3月17日撮影)。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「この1か月で、スタンド部分となる階段状の床がほぼ完成し、コンクリート工事が終わりに近づいています。屋根の基礎部分となる根元鉄骨は、向かって右手(東側)から約4分の1まで取り付けられました。
今後は、根元鉄骨の先にユニット鉄骨といわれる縦長の鉄骨を3本つなげて、最終的には約60メートル内側にせり出した屋根が完成します。新国立競技場は約50メートルの高さになる予定ですが、左手(西側)に見える影の大きさを見ても存在感があるのが分かります」
2月に始まった屋根工事は、1年4か月の工期を予定している。来年の新緑の季節には屋根が完成し、新たな姿を見せてくれる。新国立競技場の手前(南西側)には歩行者用デッキ、道路を隔てた場所には公園が整備される予定だ。
撮影■小倉雄一郎
※週刊ポスト2018年4月6日号