国内

赤池議員「ちびまる子“国境コピー”」批判、プロはどう見る?

赤池議員のブログに掲載された映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』ポスター(同ブログより)

 前川喜平・前文部科学事務次官が行った名古屋市の公立中学校での公開授業に対し、文科省を通じてその経緯などを照会をしたことが問題視されている自民党の赤池誠章参院議員。同氏が過去に、文科省と東宝がタイアップした映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』(2015年公開)のキャッチフレーズ「友達に国境はな~い!」についても、文科省に抗議していたこともニュースとなった。同氏は文科省が「『国境はない』という嘘を教え、誤認をさせてはいけない」と意見するとともに、「国境は歴然としてあります」と主張したのだ。

 この赤池議員の言動について、キャッチフレーズの専門家であるプロのコピーライターはどう見るのか。コピーライター歴10年以上の香国ゆきさん(仮名)が見解を述べる。

 * * *
 コピーライター目線で見ると、「〇〇に、国境はない」という使い古されたフレーズを使った“超”がつくほど無難なキャッチフレーズに対して「工夫が足りない」と言う人はいたとしても、目くじらを立てる人がいるのは驚きだった。

 そもそもキャッチフレーズとは、その名のごとく「キャッチ=ターゲットの心をつかまえる、印象に残る」ことが目的だ。ある事象をそのまま言葉にしたものではない。ここで例として、誰もが知る秀逸な企業キャッチフレーズ(この場合、コーポレートスローガン等とも言う)の例をいくつか見てみよう。

 【NO MUSIC NO LIFE】(タワーレコード)

 直訳すると音楽なくして人生なし、と言った意味だが、実際には音楽が無くても人生は送れる。つまり、「音楽の無い人生なんて、味気なさすぎてつまらないよね。音楽のある生活を送ろうよ」というメッセージが込められているのだろう。

 【ココロも満タンに】(コスモ石油)

 言うまでもなく、心にはタンクなどない。「単に車やバイクをガソリンで満タンにするだけでなく、心も満たす存在になりたい」という思いが込められていると想定できる。

 【お口の恋人】(ロッテ)

 実際に、口に恋人なんて存在しないし、そもそも甘いお菓子が嫌いな人だっている。「ロッテのお菓子が人々にとって恋人のような存在であってほしい。世界中の人々から愛される会社でありたい」という願いが込められていると思われる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《24歳の誕生日写真公開》愛子さま、ラオス訪問の準備進めるお姿 ハイネックにVネックを合わせて顔まわりをすっきりした印象に
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン