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ダル、田中将大らを育てた名伯楽・佐藤義則の理論

6回目のコーチオファーで楽天に

 一見、ぶっきらぼうに見える男。しかし時折飛び出す「ヴフォフォフォッ」という豪快な笑い声と、八の字眉毛が醸し出す笑顔が、すべてを優しく包み込む。今季から楽天一軍投手コーチとなった佐藤義則(63)。今回でオファーは6回目。その卓抜した指導力と実績を、球界で知らない者はない。

「俺は時代によって指導方法を変えるのではなく、投げているヤツの形を見て判断するだけだよ」

 最先端の科学に翻弄されず、己のみを信じる。まさに昭和の香りを漂わせるスペシャリストだ。現役時代は阪急・オリックス一筋。史上初40歳以上でのノーヒットノーラン達成、昭和最後の20勝投手(21勝)。44歳で引退後は4球団を渡り歩きそのすべてを優勝させた仕事人、そしてプロ野球史上最強の酒豪……。この男ほど規格外な勲章を誇るコーチングスタッフは他にいるだろうか。

 2月、沖縄・久米島キャンプの第1クール。“ヨシ”流の改革が早速始まった。佐藤はブルペンの後ろで黙って腕組みをしているのが常。それだけでも圧巻の存在感だ。4年ぶりに楽天に復帰し、投手陣の底上げを期待されているのは間違いない。そんな佐藤がまず投手に課したのは、変化球禁止、ストレートだけを投げることだった。

「ストレートにもっと興味を持ち、大事にして欲しいと思った。ストレートといっても色んなところへ投げなくてはいけない。そのためにも腕の振りをしっかりさせることを重点にやらせた」

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