ルール変更の背景には「接待ゴルフ」が(共同通信社)
たとえば冒頭のケース。これまでならOBを打った“部長”は、「元の位置に戻って(1打罰で)打ち直し」だった。それが「ボールがOBとなった地点付近のフェアウェイに、2打罰で球をドロップできる」ようになるのだ。
「ドロップ」も、これまでのように肩の高さではなく、ヒザの高さからでOKになる。都内に住む50代サラリーマンは変更を歓迎している。
「前進4打の特設ティがないゴルフ場で、お偉いさんがドライバーでOBを連発して気まずい空気になることもなくなる。『OBになったあたりから2打罰』など、若干の後ろめたさを感じながらやっていた“いい加減な処置”も、正式にルールとして認められるから、目上の人に対して勧めやすくなる」
その他にも変更点は、
●球を探している時などに偶然、球に触ってしまっても無罰(これまでは1打罰)
●グリーン上でピンを抜かずにパットを打ってカップインしても無罰(同2打罰)
●バンカー内でアンプレアブルを宣言した場合、2打罰でバンカー後方からプレーできる(同1打罰でバンカー内にドロップ、もしくは最後のプレー位置に戻る)
●クラブに球が2回当たってしまう「二度打ち」をしても無罰(同1打罰)
いずれもプロトーナメントなどの競技ゴルフでは滅多に考えられない場面ばかり。明らかに“接待ゴルフ”“カジュアルゴルフ”を想定した変更に見える。ゴルフ評論家の菅野徳雄氏はこう話す。