予想通り頭をかすめる球を投げてきた。マウンドに詰め寄ると、ガルベスも飛び掛かってきた。右のパンチを警戒していたのですが、左が飛んできて避けきれず顎に食らって口の中が切れた。よく考えると、右投げのガルベスが右拳で殴るはずがなかったんですね。こっちもヘッドロックで応戦しましたが、すぐに両軍が入り乱れて、私は後ろからボコボコに殴られるし、ガルベスはうちの選手にユニフォームをズタズタに引きちぎられた。
乱闘については監督によって考え方が違います。星野(仙一)監督は「乱闘は全員参加。遅れた者は罰金」というが、野村(克也)監督は「乱闘はするな。ケガや退場をすれば戦力ダウンになる」と。退場は、中日時代に褒められましたが、楽天時代は叱られました(笑い)。
●やまさき・たけし/愛工大名電では56本塁打を記録し、1986年ドラフト2位で中日入団。本塁打王2回、打点王1回、ベストナイン3回。史上3人目のセパ本塁打王。2013年引退後は野球解説者として活躍。
※週刊ポスト2018年4月13日号