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小学校の道徳が教科に格上げ 教える教師の最大の不安とは

「道徳」を通信簿でどう評価する?

 4月から小学校で、これまでは“教科外活動”として行なわれていた「道徳の時間」が、「特別の教科 道徳」に“格上げ”された。

 学習指導要領によると、教える内容は「善悪の判断」「誠実」「思いやり」「国や郷土を愛する態度」など。つまり、「善悪の判断がついているか」「誠実さはあるか」「思いやりはあるか」「国や郷土を愛しているか」が、評価の要素になるということだ。

 授業の内容も変わる。これまでは「教材の登場人物たちの気持ちを読み取る」形式が多かったが、今後は「考え、議論する道徳」にシフトするという。

 たとえば、小学校4年生の教科書(光文書院)の「言葉のキャッチボール」という項目では、「相手の気持ちを考え、どんな言葉を返したらよいか考えてみましょう」として「ナイスボール」な言葉と「デッドボール」な言葉の例が書かれている。

〈かずきさんは、休み時間に係の仕事があって、ゆうじさんたちとやくそくしていたサッカーをする時間におくれてしまいました〉

 ここで「デッドボール」なのは、「おそいぞ! 何やってたんだ!」と聞いてしまうこと。「係の仕事をしてたんだよ。たいへんだったんだぞ」と言い合いになってしまうという。「ナイスボール」は「おそかったけど、何かあったの?」。こうすると相手も「おそくなってごめんね」と謝りやすくなるということのようだ。

 後者のほうが“大人な対応”なのだろう。しかし、小学4年生の子供が、本当にそんな物わかりの良い人間でなければいけないのだろうか。

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