◆「ネコ型」を育てるヒントが「ゆとり教育」の中に?

 注目すべきことに、情報・ソフト系の起業家やプロフェッショナルはもとより、いまビジネスの最先端で活躍している人はたいていが「ネコ型」人間である。

 ビジネスの世界だけではない。スポーツの世界ではフィギュアスケートで五輪連覇をはたし国民栄誉賞を受けた羽生結弦や、二刀流で大リーグに鮮烈デビューした大谷翔平、それに将棋のプロとして連勝記録を打ち立てた藤井聡太など若きスーパースターも、その言動などかから判断すれば間違いなく「ネコ型」だろう。

 日本経済新聞の北川和徳編集委員も、羽生、大谷のほかスピードスケートの高木美帆、競泳の荻野公介、瀬戸大也、バドミントンの奥原希望たちが、いずれも今年度24歳になる「ゆとり世代」のど真ん中で育った若者たちだと指摘する(4月4日付日本経済新聞スポーツ欄のコラム)。

 そこに紹介された元陸上選手、為末大氏の話では、〈目標を定めて自分を律することができるアスリートは、自ら学習してどんどん能力を伸ばしていける〉そうだ。

 手本のない時代に自分で道を切り開けるところにこそ「ネコ型」人間の真骨頂があり、学力低下をもたらすと評判の悪かった「ゆとり教育」によってそれが育まれたのだとしたら、まさに歴史の皮肉だ。

 もちろん彼らは「ゆとり世代」のなかでも突出した存在であり、残念ながら芽が出ない若者もたくさんいる。それでも新しい時代を切り開く若者をたくさん輩出しつつあることは見過ごせない。

 これから本格的にやってくるAI(人工知能)の時代には、「ネコ型」人間がますます活躍の場を広げるに違いない。だとしたら、一度は捨てられた「ゆとり教育」のなかに、彼らを育成するための手がかりを探してみてもよいのではなかろうか。

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