少年時代と同じく、現在も川内のマラソンは型破り。年間10回ほどレースに出場し、3月には「サブ20(2時間20分切り)」の完走数(78回)がギネス認定された。住友電工陸上競技部監督の渡辺康幸氏はいう。

「高速化している現在のマラソンでは、日本記録保持者の設楽悠太君(26・ホンダ)や大迫傑君(26・ナイキオレゴンプロジェクト)のようにスピードがあることが必須。その点で川内君にはハンデがあります。一方で彼は、悪条件になればなるほど粘り強くついて行く泥臭さがあり、駆け引き勝負に持ち込める。東京五輪代表(3枠)のうち2つは設楽君と大迫君が有力視されていますが、代表を選ぶ日本陸連にとってそういう勝負強い選手は魅力的な“最後のカード”のはず」

 改めて美加さんに尋ねると、「暑さには弱いから五輪には出場しないと思う」と話した。

 う~ん、残念。いっそマラソンを冬季五輪種目にすれば“金メダルの大本命”に浮上するのに。

※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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