温泉地、旅館、リゾートホテル、リブランドなど星野リゾートを連想させるワードは数あれど、これまでになかったのが都市型のビジネスホテルだ。5月9日に東京・大塚にグランドオープンする新ブランド「星野リゾート OMO5 東京大塚」は“都市観光ホテル”を標榜するが、果たして勝算はあるか──。ホテル評論家の瀧澤信秋氏がレポートする。
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星野リゾートが順次展開していく「OMO(おも)」という新ブランド名には“おもなてし”を想起するが、増加する訪日外国人にも発音しやすいイメージだ。
東京・大塚に先立ち、4月28日には「星野リゾート OMO7 旭川」(北海道・旭川)がリブランドオープン。また、大阪・新今宮駅前(名称未定)での開業も予定しているという。OMOの後につく数字は、各施設のナンバリングではなく提供するサービスの幅を示している。大塚という立地に驚く声は多いが、当初から大塚ありきではなく様々な条件を踏まえての結果であったという。
ホテルには様々なカテゴリーがあるが、シティホテルやビジネスホテルはよく知られたところ。宿泊のほか、レストラン、宴会、ウエディングなど様々な機能があるシティホテルはフルサービス型のホテルといわれる。一方、ビジネスホテルは宿泊に特化したホテルということで、宿泊特化型ホテルという呼称が業界では一般的だ。
ビジネスホテルとはその名のとおり、出張族をターゲットにした業態だ。利便性・機能性が尊ばれてきたホテルだが、加えて近年では客室面積、設え、調度品、付帯施設などに付加価値が求められてきた。筆者は“進化系ビジネスホテル”と称して情報発信してきたが、今やビジネス需要を凌駕する観光客の定番宿泊施設として絶大な支持を得ている。
確かにデザイン性の高さ、ハイクオリティのベッド、天然温泉大浴場、グルメ度高い朝食など観光旅行の宿泊施設として宿泊特化型ホテルのポテンシャルは相当高い。