婚活女性たちの結婚の「分岐点」をレポートするシリーズ。今回紹介するのは、44歳同士で4年付き合っているユミさん。結婚願望はありながらも、「事実婚」を選んだ事情とは?
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◆結局、そんな都合よくはいかなかった
「30代前半までは、仕事がとにかく楽しかったんです。管理職にもなって、やりがいも感じていましたね。それなりに彼氏はいたけど、自分のやりたいことを優先させてきたから、結婚には至らなかった。でも、結婚願望はあったんです。40前くらいで結婚できたらいいなと。だから35歳くらいから、結婚を意識するようになりました。結局、そんな都合よくはいかなかったんですが」
そう言って苦笑いを浮かべるのは、外資系企業で働くユミさん(44)。海外留学や転職経験もある、戸田菜穂似の品のあるキャリアウーマンだ。彼女は同い年の彼氏と同棲して3年になる。結婚は?と問うと、「もう、籍を入れるのにはこわだってないんです。子供も産めませんから。事実婚のような感じで、それでいいかなと思っています」と、自分に言い聞かせるように語った。
ユミさんと彼氏の真二(しんじ)さんが出会ったのは、大学のOB会だった。30代後半になり、少しずつ焦りを感じ始めていたが、ユミさんはいわゆる「婚活」には抵抗があった。結婚相談所に登録したり、ネット婚活を利用するのは、自分らしくないと感じたのだという。
「共通点がある人がよかったんです。ただ、私は無趣味なので、趣味で共通点というのは望めない。そうなると、ターゲットは仕事で近い人や、学生時代の知り合いになり、<婚活>で見ず知らずの人と出会うより、今自分のいる環境の中や、友人のつてをたどって探したほうがいいと考えたんです。
そんなことを考えていた頃、しばらく会っていなかった旧友から連絡があり、大学のゼミのOBと飲むから来ない?と誘われたんですよ」
そこで、「存在を忘れていた」真二さんに再会した。