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中国の奇跡 国民DNAデータベース使い24年前誘拐の子供発見

データベースが役に立った形

 24年前の1994年、3歳だった男の子を誘拐された両親が今年4月下旬、中国広東省深セン市で息子と対面し、再会を果たしたことが香港で大きなニュースとなっている。この男性が誘拐された息子と判明したのは、中国政府が現在、推進している国民のDNAデータベースによる。提供された両親のDNAと息子のDNAの鑑定の結果、「親子に間違いない」と認定されたためだ。

 中国四川省では昨年、23年前に誘拐された7人の子どもたちが両親らとのDNA鑑定の結果、親子関係が証明された。中国では毎年10万人もの子供が誘拐されているとの見方もあり、今後もDNAデータベースが親子鑑定の有力な武器になりそうだ。

 香港のインターネットニュースメディア「香港01」によると、誘拐された男性は張富強氏で、現在は香港の中華レストラン料理人だ。3歳のころ、両親が働いていた広東省広州市の建設現場で遊んでいたところ、急に姿を消し、誘拐されたとみられていた。

 両親はこれまでの24年間、富強さんを探して、広東省内はおろか、内陸部の陝西省や山西省、湖南省など中国全土を訪ね歩いたが、富強さんの写真もなく、手掛かりは右目の下にある小豆ほどの大きさの黒子(ほくろ)だけで、有力な目撃情報もなかった。

 このため、両親は藁にもすがる思いで、深セン警察署でDNAデータベースに登録した。ここで奇跡が起きた。実は富強さんも実の両親を探しており、今年1月、自分が誘拐された広州市に近い深セン警察を訪問し、「実の親を探してほしい」などと相談。警察側では富強さんのDNAを採取し、すでにデータベース内にあるDNAを照合した結果、すでに提出されていた富強さんの両親のDNAと構造が一致したことが分かった。

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