●カン・ソンチョル(男性・47歳・建設労働)の話
──仕事は?
「建設労働の仕事をしている。給料は1か月に3000ウォン(45円)程度だが、貰った記憶はおぼろげだ。仕事をしても給料日に国家に出す金が多く、賃金から控除されてしまう」
──食料などはどのようにして購入するのか。
「ここでは(国が)『やってはいけない』ということをしないと、食べて生きていくことができない。違法的なことをしているが、この電話は盗聴される恐れもあるので、申し上げられない」
── 一つか二つだけでも教えてくれないか。
「希少金属、鉄鋼材などを集めて売っている。米は高くて買えず、3人家族で1か月に必要なトウモロコシ40kg程度をやっと買って、トウモロコシの飯を食べて暮らしている」
──金正恩委員長の統治をどう思うか。
「ああ! このような話を電話で話すことは少し怖いが、(金委員長は)若い人なので以前は期待したが、期待とは違いすぎた」
──日本に対してどのような感情を抱いているか。
「日本といったら、今でも感情は良くない。36年間、朝鮮を強制占領して朝鮮人を沢山殺したから……。労働新聞に、(日本は)日本軍慰安婦に謝罪をしなかったと出た。 私の年代の人々はまだ、(日本を)良くないと思っている」