国内
2018.05.16 07:00 女性セブン
隆盛極める出会い系アプリは現代の“お見合いおばさん”

“お見合いおばさん”の役割果たす出会い系アプリ(撮影/アフロ)
清濁を併せ呑んで隆盛を極めるマッチングアプリ。その背景には、かつては当たり前だった交際と結婚方法の衰退がある。大正大学心理社会学部准教授の田中俊之さんが指摘する。
「そもそも日本では、職場などのコミュニティーで出会ったり、知り合いの紹介によってカップルが成立していました。しかし、今は非正規雇用化が進んで、職場に昔ながらの一体感がなくなったり、都市化により、地域コミュニティーが崩壊したため、出会いのきっかけが少なくなりました。地域社会が崩壊して人間関係が希薄になると、昔ながらの世話焼きな“お見合いおばさん”も姿を消し、出会い系アプリのニーズが急上昇しました」
婚活コンサルタントの澤口珠子さん(40才)は結婚後、新婚旅行を兼ねて全国47都道府県を巡り、各地の結婚支援の状況を見てきた。実際、東京・大阪など一部の首都圏は、お見合い文化が廃れ、出会い系が浸透していた。一方、都心ではあまり見られなくなった「お見合いおばさん」の文化が、未だに活発な地域も地方には残っていたという。
「そう行った地域では自治体の協力もあり、お節介なお見合いおばさんが活発で、リアルな場でのマッチングが盛んだったりしますね。しかもゴールインするカップルも結構多いんですよ」
九州在住の八坂洋子さん(仮名・62才)は3年前に長男(35才)がお見合い結婚した。
「親戚にお見合いを勧められて結婚しました。物静かな長男の性格を知っていたから逆に活発な嫁さんを紹介してもらい、互いの故郷や趣味も似通っているので夫婦仲は円満です。田舎なので新参の嫁さんだと人間関係がうまくいかなかったと思うので、いい人を紹介してもらえて幸運でした」(八坂さん)
一方で八坂さんの次男(32才)は学生時代の恋人と恋愛結婚したが、わずか3年で離婚してしまったという。
「一目ぼれでつきあい始め、結婚した次男は東京でSEとして働いていますが、忙しい共働きですれ違いが多く、結婚前の理想と実際の結婚生活が全く違ったそうです。男ばかりの職場で新しい出会いもないようで、親としては心配です」(八坂さん)
◆お見合い結婚の利点
今の世の中、「恋愛」と「結婚」がうまくマッチしないことに多くの人が気づき始めていると田中さんが指摘する。
「男女平等が進んで共働きが増え、結婚後の夫婦は家事や育児を分担する“夫婦平等時代”になりました。しかし恋愛中は“男らしさ”や“女らしさ”が優先されるため、平等な関係を築けず、結婚してから夫婦関係が破綻するケースが増えています。
自由に恋愛して結婚したら失敗したというケースが増えたので、結婚前にふさわしい相手を見極めようという動きが生じて、お見合いが復権しつつあります」
事実、全日本仲人連合会によれば、恋愛結婚の離婚率は40%だが、お見合い結婚の離婚率は10%にすぎない。恋愛か見合いかで実に4倍もの差があるのだ。
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