「医務棟」の中に入ると、歯科、内科、外科、薬局が並び、電子カルテ対応のパソコンやレントゲン室、CTスキャンといった設備が揃っている。医療スタッフは常勤の医師4人、看護師8人、薬剤師2人などに加え、非常勤の医師もいる。
「当所では多量服用者に対して薬剤師による減薬の指導も行なっています。入所してから減薬に成功した例もある」(広島刑務所の刑務官)
こうした介護・医療にかかる費用は原則、国費で賄われているため、受刑者の自己負担はない。“塀の外”で60代以上の自己負担増が相次いでいることを考えれば、皮肉な現実に見える。
■取材/末並俊司、高橋ユキ
※週刊ポスト2018年5月25日号