ライフ

ココイチ創業の宗次徳二氏「私財は相続させず奨学金等に」

カレーハウスCoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏

 グラビア写真界の第一人者、渡辺達生氏(69)が“人生最期の写真を笑顔で撮ろう”とのコンセプトで立ち上げた『寿影』プロジェクト。渡辺氏は、自然な笑顔を引き出すべく、撮影する人に「一品」を持ってきてもらって、それにまつわるエピソードを聞きながら撮影する。

 カレーハウスCoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏(69)が持ってきたのは、後任の社長から贈られた「バイオリンのピンバッジ」だ。

 クラシック好きが高じて28億円の私財をなげうち、名古屋にコンサートホール『宗次ホール』を建設した。輝くピンバッジは、開館日に現社長から贈られた。

「私がバイオリンの音色に魅了されていることをよく知る後継者からのサプライズは、心の琴線に響き、涙してしまいました」

 孤児院から3歳で養子となり、幼少期は雑草を食べるような困窮生活。だが、自分を不幸と思ったことはなく、他人を恨んだこともない。その穏やかな表情には、生来と思しき気品が漂う。

 妻と二人三脚で始めた事業は右肩上がりで大成功。「三流経営者でも何とかなる見本でしょうか」と謙遜するが、朝4時台の出社など、並みの経営者以上の働きがもたらした結果なのである。

「この先も“百利あって一害なし”の早起きを続け、これまで同様、毎日一所懸命生きることが私の終活。亡き後の私財は相続させず、奨学金やホームレス支援などにすべて投じます」

 自分に辛口、世に甘口な男だ。

【プロフィール】むねつぐ・とくじ/1948年、石川県生まれ。カレーハウスCoCo壱番屋の創業者。53歳で経営から退いた後、音楽やスポーツ振興、福祉施設支援などを行なうNPO法人イエロー・エンジェル設立。経営者向けの講演活動も行ない、著書多数。

◆撮影/渡辺達生、取材・文/スペース リーブ

◆小学館が運営する『サライ写真館』では、写真家・渡辺達生氏があなたを撮影します。詳細は公式サイトhttps://serai.jp/seraiphoto/まで。

※週刊ポスト2018年6月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン