SIMフリー市場が盛り上がりを見せたのは2014年春ごろからだったが、勃興期のとにかく端末の安さを全面に出した時期と違い、現在は高価格帯ゾーンだとSIMフリー端末でも8万円台から9万円台の商品もある。もちろん低価格ゾーンではいまでも1万円台から2万円台のものもあるが、もはや格安スマホとは括れないほど価格帯が幅広い。

 エイスースもファーウェイも、日本市場参入からしばらくは安さを武器にした端末を投入し、話題性と顧客集めにまず力点を置いていた。

 そこからの展開で、エイスースが1機種の派生商品を矢継ぎ早に出したのに対し、ファーウェイはボリュームゾーンの3万円台のラインナップを豊富に揃える一方、フラッグシップ的な位置づけの高価格帯の品揃えも同時に増やしていった。売れ筋である中価格帯の商品で販売数を積み上げ、高価格帯端末でブランド力も上げていくという両面作戦だった。しかも、その商品投入量はエイスースを凌駕していた。

 もうひとつが価格政策だ。エイスースの端末も利用者から見てコストパフォーマンスに優れてはいたが、ある時期から戦略転換したのか、同じ端末なのに海外での値付けに比べて日本での売り出し価格が明らかに高くなった。

 一方のファーウェイは逆に、海外での値付けよりも日本での価格を安くする作戦に出ている。好き嫌いの個人差はあるが、消費者がどちらの端末を選ぶようになるかは、少なくても価格面では明らかだった。

 昨年12月からファーウェイが売り出した「Mate10Pro」は、投入当初の価格が9万円前後というプライスながら、日本でも大きな話題になった。理由は、同端末が世界初のAIチップ搭載機だったからだ。

 たとえば写真を撮る際、被写体が人なのか動物なのか、あるいは花なのか建物なのかといった認識を、スマホに内蔵されたAIチップが瞬時に判断してくれ、その被写体に合ったベストなピント合わせなどを自動でしてくれる。ここまでのフラッグシップ機はともかく、ファーウェイの端末はハード面でも、総じて評価が高くなっている。

 スマホだけではなく、タブレットの分野でもファーウェイは日本においてiPadに次ぐ販売ボリュームを持ち、アンドロイドのタブレットに限ればもちろん1位だ。最近も8.4インチと10.8インチの2つのタブレットを投入し、これまた価格比較サイトのタブレットの人気ランキングで、iPadに交じって上位にランクインした。

関連キーワード

トピックス

「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
史上初の女性総理大臣に就任する高市早苗氏(撮影/JMPA)
高市総裁取材前「支持率下げてやる」発言騒動 報道現場からは「背筋がゾッとした」「ネット配信中だと周囲に配慮できなかったのか」日テレ対応への不満も
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
「父と母はとても仲が良かったんです」と話す祐子さん。写真は元気な頃の両親
《母親がマルチ商法に3000万》娘が借金525万円を立て替えても解けなかった“洗脳”の恐ろしさ、母は「アンタはバカだ、早死にするよ」と言い放った
NEWSポストセブン
来日中国人のなかには「違法買春」に興じる動きも(イメージ)
《中国人観光客による“違法買春”の実態》民泊で派遣型サービスを受ける事例多数 中国人専用店在籍女性は「チップの気前が良い。これからも続けたい」
週刊ポスト
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
米・フロリダ州で元看護師の女による血の繋がっていない息子に対する性的虐待事件が起きた(Facebookより)
「15歳の連れ子」を誘惑して性交した米国の元看護師の女の犯行 「ホラー映画を見ながら大麻成分を吸引して…」夫が帰宅時に見た最悪の光景とは《フルメイク&黒タートルで出廷》
NEWSポストセブン