たとえば、ドイツは第2次世界大戦後の1950年代以降、人手不足を解消するためにトルコ、ギリシャ、イタリア、ポーランドなどから移民を積極的に受け入れてきた。当初はドイツ人との確執などによるトラブルもあったが、今では国民の5人に1人が「移民の背景」を持つようになり、社会は非常に安定している。

 なかでもトルコ人は最も割合が大きく、ドイツ全体で300万人に達していると言われる。苦労しながら死にもの狂いで働いた1世に教育重視で育てられた2世の中からは、政財界や学術分野などで優秀な人材も登場している。むしろ、今やドイツはトルコ人がいなければ社会も経済も成り立たないほどになっていると言っても過言ではないだろう。

 さらに、ドイツで育ったトルコ人が祖国に帰り、経済発展の柱として目覚ましく活躍している。たとえば、トルコ西部イズミルにあるドイツの高級ファッションブランド「ヒューゴ・ボス」の工場は非常に業績優秀なことで知られているが、そこで主力になっているのはドイツから帰国した人たちだ。彼らはトルコ語とドイツ語のバイリンガルなので、トルコとドイツの関係強化にも大いに貢献している。

 日本では、中国人やベトナム人など在日外国人の犯罪が時々クローズアップされるが、外国人労働者が定着して正規の教育課程を経た永住者が増加すれば、親日的な人が増えて国同士の関係も親密になっていくはずだ。それは長い目で見た時の安全保障にもつながるだろう。当初は日本人との間がぎくしゃくするかもしれないが、いずれはドイツのように安定するから、とりあえず人口の10%くらいをターゲットに移民(永住者)を受け入れていく制度を確立すべきだと思う。

 前述した外国人に対する2年間の日本適応教育には、戦時中の“皇民化教育”を思わせるといった批判的な意見があるかもしれないが、それは違う。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン