事実、中曽根氏は日米関係を重視する一方、サミットでは「哲人宰相」と呼ばれたフランスのミッテラン大統領の見識を高く評価して個人的親交を結び、「鉄の女」サッチャー英首相やコール西ドイツ首相とも本音で語り合う信頼関係を築いたことで知られる。
北朝鮮との交渉も拉致問題解決もトランプ大統領に頼り切りの安倍外交にそうした心構えと近隣諸国への周到な根回しはみられない。
亀井静香氏や石原慎太郎氏ら“応援団”からも「トランプのポチみたいな扱いをされちゃいかんぞ」と念を押される始末なのだ。これでは“トランプがコケたらシンゾーもコケる”と他国から危うく見られても仕方ない。
※週刊ポスト2018年6月15日号