ライフ

死なないがんと言われる前立腺がん だが術後の後遺症は深刻

前立腺がんの”本当の”怖さとは

 50代以降に急増する泌尿器がん。なかでも前立腺がんは男性のがん罹患数が1位だが、5年生存率は100%に近く、“死なないがん”とも言われている。だが、術後の後遺症は深刻だ。50代初めに前立腺がんの手術を受けた、印刷会社勤務のSさん(58)には、まったく予想もしていなかった後遺症があったという。

「セックスは問題なくできる。射精時に精子は出なくなるが、勃起には影響しない。医師からはそう説明されていたのですが……」

 前立腺には、射精時に誤って尿が出ないよう、膀胱と尿道を一時的に遮断するはたらきがある。そのため、がんが確認された前立腺を切除すると、精子は膀胱に流れ込んでしまう。

「いざ、その状況に直面して事の深刻さに気付きました。あらかじめ妻には話していましたが、その違和感が気になり、お互いにセックスを楽しめなくなってしまったのです。その後だんだん回数も減って、セックスレスに。それがストレスとなり、私は手術から半年も経たないうちに、勃起不全になってしまいました」

 患者を医師に紹介するがん難民コーディネーターの藤野邦夫氏は、Sさんと同じ悩みを数多く耳にしてきた。

「前立腺がん手術に伴う“射精快感の喪失”は、個人の感覚差などを理由に、医者は積極的に話そうとしません。ただ、Sさんのように違和感を覚える人は多く、パートナーとのセックスだけでなく、自慰行為でも『これまでのように気持ちよくならない』と訴えます」

※週刊ポスト2018年6月15日号

関連記事

トピックス

新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン