医療ジャーナリストの油井香代子氏は「“治療後”について事前に知っておくこと」の重要性を強調する。
「治療や手術が患者にとって必要な手段であることは言うまでもありません。ただし、そこにリスクや後遺症が潜んでいることを忘れてはなりません。手術や治療による病状回復のメリットよりも、その後の日常生活において不便や不都合が大きいことが分かって後悔しても、後の祭りです。
医師は一般論としての後遺症は語ることができても、それが個々の患者にどのような影響を及ぼすかまでは教えてくれません。だからこそ、後遺症による生活への影響について担当医に聞いたうえで、自らのライフスタイルや住環境に当てはめて考えることが必要です」
病気が治っても、その後の人生がバラ色とは限らない。ライフスタイルは、人によって異なる。「辛い、苦しい、しんどい」も人それぞれ。「病気の後」をイメージしておくことは、後遺症と「共に生きてゆく」ために重要だ。
※週刊ポスト2018年6月15日号