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人工関節入れた男性 体重20kg増、歩行器なしでトイレ行けず

治療しても後遺症が…(写真はイメージ)

 65歳のAさんは、人工関節を入れたことを後悔しているという。

「長い間、股関節に痛みを感じていたので、50代前半で人工関節を入れました。当初は快調でしたが、今となれば医師の『人工関節は、体形の変化に弱い』という言葉をもっと具体的に想像しておくべきでした」

 手術時、サラリーマンだったAさんの体重は、70kg。平均体重よりも、やや重かったが、現在の体重は90kg。身体のバランスが崩れ、股関節の激しい痛みで、歩行器なしではトイレに行けないこともある。

「人工関節は、人間の骨と同じように少しずつ摩耗していきます。関節の軟骨に相当する部分は、化学物質で作られたソケットと受け皿。体重が増えたり、筋力が衰えるとソケットと受け皿への負担が増し、摩耗が進みます。摩耗が進むと、金属と金属が直接あたって、痛みを感じるようになります」(清水整形外科クリニック院長の清水伸一氏)

 Aさんは、これ以上、人工関節が摩耗しないよう大幅に体重を落とすことを求められている。

「今は食べることが、私の数少ない楽しみなんです。たしかに太りましたが、血糖値などの数値はほとんど問題なく、内科医から食事制限を求められてもいない。今から人工関節を入れ直すには大手術が必要で、体への負担が大き過ぎます」

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