●ソン・イル(男性・18歳・高校生)の話
彼は学校で教えられた通りに理解する世間知らずの素直な学生のようだったが、戦争に対する覚悟だけは強かった。独裁下の教育が学生にどう影響するかがよくわかる。
──学校では、核兵器についてどう教わる?
「いま高校3年生です。我が国は小さくても核兵器を持っていて、米国の奴らが勝手にできないと学校では教えている。私も、核は必要だと思う。私たちの核がなければ、米国に喰われる。核はなくせません」
──金正恩委員長を学校の友達同士で何と呼ぶ?
「元首様、正恩同志と呼びます」
──他の呼び方はないか。悪口は言わないか。
「いいえ。言えません。そんなことを言うと全部殺される。3代が死に絶えてしまう」