──2016年の夏に、ロシアW杯で活躍することから逆算して「ここで行かないと間に合わない」とオランダへ渡りました。
小林:W杯で外国人選手と対峙しても普通に戦えるようにと思ってオランダ行きを決めました。それは、オランダリーグの方がJリーグよりも寄せも速いし、パワーも強いと思ったので。ただ、日本でやっていた選手があれだけ(23人中8人)選ばれているってことは、残念ながらオランダリーグのことが理解されていないんでしょうね。
──移籍したことを後悔しているとか。
小林:それは全然ない。だっていまオレがJリーグでプレーしていたら、たとえばこのあと欧州4大リーグ(スペイン、イングランド、ドイツ、イタリア)でプレーできる可能性はゼロですよ。26歳まで日本でしかプレーしてなかったら、どこも取ってくれない。オレはオランダで2シーズンコンスタントに試合に出てきたことで、ステップアップの話だって来ていますから。それはJリーグに残っていたらなかったことだと思います。
──W杯メンバー23人の選考に関しては、小林選手のほか、中島翔哉選手(ポルティモネンセ/ポルトガル1部10ゴール)や森岡亮太選手(アンデルレヒト/ベルギー1部で13ゴール)、久保裕也選手(ゲント/ベルギー1部で11ゴール)や堂安律選手(フローニンゲン/オランダ1部で9ゴール)など、欧州のリーグでコンスタントに出場し結果を残しながらも過去の実績や4大リーグでプレーしていないことが影響してか外れました。保守的な選考とも言われていますが……。
小林:西野さんが欧州サッカーのことについて、どこまで知っているかはわからない部分もありますし、一応、オレは選手として言えない部分もあります。ただ、もしそういう風に言われているのであれば、声を大にして言ってもらえれば(苦笑)。
──W杯開幕を2カ月後に控えたハリルホジッチ前監督の解任には驚きましたが、それについてはどんな印象を持ちましたか。
小林:第一報はインターネットのニュースで知りましたが、「えっ?」って驚きましたよね。ハリルさんはチームで試合に出ていることを重視していると言っていましたし、オレはハリルさんがそのまま監督を続けてくれた方が、W杯に行ける可能性は高かったかもしれない。(ハリルさんについて)戦術云々とかいろいろ言われていましたけど、オレにとっては日本代表に初めて呼んでくれた人ですし、解任はもちろん残念でしたし、彼には感謝もしています。ただ、解任されたってことは何か問題があったんでしょうね。
──ハリルホジッチ前監督の解任についてJFAの田嶋幸三会長は「選手との信頼関係が多少薄れてきた。コミュニケーションに問題があった」などとしていましたが、実際はどうだったのですか。
小林:オレはたまにしか呼ばれていなかったのでよくわからないですし、ずっと呼ばれていた人とオレが感じていることは違うかもしれない。オレだって、記事に書かれていることしかわからないですよ(苦笑)。ただ、パッとしない試合が続けば、プロ同士なら当然意見のぶつかりが出ても不思議じゃないですよね。
──西野監督は、ハリルホジッチ前監督の体制時から技術委員長としてチームに帯同していましたが、関係性はどうだったんですか。
小林:挨拶するくらいで、深い話をしたことはなかったです。