ビジネス

自動ブレーキに性能差 「ぶつからないクルマ」過信は禁物

衝突安全性能評価で5つ星を獲得したマツダ「CX-8」

 いまやクルマの安全性を高めるのに欠かせない自動ブレーキ。“ぶつからないクルマ”との触れ込みで機能も日々進化しているが、じつは車種によって性能差も大きい。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏は、「自動ブレーキが装備されているからといって、過信してはならない」と警鐘を鳴らす。

* * *
 美味しいレストランを探すのに便利なのが「ミシュランガイド」です。同じように市販されるクルマの安全性能を星の数で教えてくれるのが「JNCAP(Japan New Car Assessment Program:自動車アセスメント)」です。

 自動車メーカーとは資本関係のない第三者である独立行政法人自動車事故対策機構が毎年、新型車を購入して、その安全性能をテストしています。同じ条件で第三者が安全性をテストして点数づけしますから、ライバル同士の安全性能の差が一目瞭然。安全性の高いクルマを欲しい人には、ぜひともチェックすべきテストでしょう。

 その最新版となる2017年度(平成29年度)の結果発表・表彰式が2018年5月31日に開催されました。

 発表されたのは「衝突安全性能評価」(実際にぶつかったときの人を守る性能)、「予防安全性能評価」(事故を防ぐための新しい技術)、「チャイルドシート安全性能評価」(チャイルドシートの性能)の3つです。

 メインイベントとなる「衝突安全性能評価」では、テストを受けた15車種のうち9ものクルマが最高評価となる5つ星を獲得しました。

 点数の良い順に並べると「マツダ CX-8」「マツダCX-5」「トヨタ C-HR」「ホンダ N-BOX/N-BOX カスタム」「トヨタ JPN TAXI」「ホンダ ステップワゴン」「ホンダ シビック」「日産 リーフ」「スズキ スイフト」です。上位2台がマツダで、4位に軽自動車の「ホンダ N-BOX/N-BOXカスタム」が入っているのが注目ポイントでしょう。

 次に「予防安全性能評価」。これは“ぶつからないクルマ”で知られる自動ブレーキなどの、先進的な運転支援機能の性能を見るもの。クルマや歩行者とぶつかりそうになったときに、どれだけしっかりとブレーキを作動できるか? などの複数のテストを行い、その総合性能をチェックします。

 自動ブレーキ自体が新しい技術ということもあり、テスト自体も2014年度に始まったばかり。しかし、技術の進化は恐ろしいもので、今年20台のクルマがテストを受けましたが、そのうち2台が満点を獲得したのです。それが「マツダ CX-8」と「日産 リーフ」。すばらしい性能です。

 しかし、一方で、同じ自動ブレーキを備えていても点数の低いクルマもありました。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン