ライフ

ギャンブルで負けている人は、今後も負け続ける可能性が高い

ギャンブル依存症の最大懸念は「借金」

 カジノ法案(カジノを含む統合型リゾートIR実施法案)の成立を目指す国会審議が大詰めを迎えているが、反対派の多くが懸念するのは、ギャンブル依存症による多重債務者の増加などだ。そもそもギャンブルの「負け」はギャンブルでは取り戻せないと話す人は多いが、本当なのだろうか。ニッセイ基礎研究所・主任研究員の篠原拓也氏が、確率統計学をもとに解説する。

 * * *
 確率や統計の話題には、ギャンブルと関係するものが多い。その中でも、コイン投げゲームにまつわるものは数多くある。コイン投げゲームの有名な法則を1つ紹介しよう。

 まず、偏りのないコインを1枚用意する。コインを投げて表が出たら勝ち、裏が出たら負けとする。勝ちの場合は100円を受け取り、負けの場合は100円を支払う。このコイン投げを何度も繰り返す。コインを投げるごとに、100円を受け取ったり支払ったりするので累計収支が変動する。

 コインに偏りがないとしているため、表と裏の出る確率はいずれも2分の1とみてよい。まず、最終的な累計収支がどのように分布するかを考えてみよう。

 最終的な累計収支がトントンになるケースは、たくさんある。当初勝ち続けて黒字が膨らんだが、その後負け続けて結局0になるケース。逆に、当初負け続けて大赤字になったが、その後勝ち続けて結局0になるケース。勝ったり負けたりを続けて、結局0になるケースなどだ。

 勝ち続けたり負け続けたりして、最終的に大きな黒字や赤字になるケースは少ない。最終的な累計収支の分布は、収支0を頂点とした山の形になる(図1)。これを、コインを10回投げる場合でみてみよう。

 収支の変動パターンは全部で1024 (=2の10乗)通り。そのうち、最終的な収支が0のケースは252通り。約4回に1回は、収支トントンで終わることになる。一方、10連勝や10連敗で累計収支が1000円の黒字や赤字になるケースは1通りずつしかない。

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン