一方、ゴキブリは医薬品の原料としてばかりでなく、料理の食材としても売り出されている。なんと言っても注目されるのは、その生命力である。ゴキブリは恐竜が生きていた時代よりも前の、約3億9000年から約3億年前まで続いた「石炭紀」の地層から、巨大なゴキブリの化石が発見されているほど生命力の強い生き物で、滋養が豊富とされる。
さらに、ゴキブリは雑食性なので、山東省では1日約15tの残飯処理用にゴキブリが飼育されているほどだ。
国際連合食糧農業機関(FAO)は世界の人口増加に伴う食糧不足の解決策として昆虫の食料化を提言しているが、すでに同省や四川省、雲南省ではゴキブリ料理を扱うレストランは数千店舗に上るといわれる。「ゴキブリはちょっと…」という向きには、ゴキブリのタンパク質部分をすりつぶして粉にして、ミートボールのように調理した料理も市販されているという。いずれ日本にもゴキブリを原料にした医薬品やゴキブリ料理が売られる日が来るかもしれない。