中部地方にある有料老人ホームの施設長が衝撃的な証言をする。
「利用者が重度の認知症の場合、施設側が黙っていれば、『どうせ本人は家族に伝えられないんだから』と報告しない職員もいます」
事故発生から発見まで時間が経過していると家族に報告されにくい。
「黄色い痣は見て見ぬふりをされます。打撲すると、赤い痣、青い痣、最後に黄色に変化していく。黄色い痣は事故からかなり時間が経過した証拠。その時点で家族に報告すると、『なぜ早く言ってくれなかったのか』となる可能性がある。そこまで気付かなかったのであれば、このままにしておこうとする」(佐藤氏)
本誌調査によると、打撲は年間3351件、うち死亡も3件起きている。“バレなければいい”で済まされるケガではない。
●末並俊司(ジャーナリスト)と本誌取材班
※週刊ポスト2018年6月29日号