「腎動脈狭窄症の患者は、夜間や早朝にも血圧が下がらないという特徴があり、前述したように心血管イベントのリスクも高くなります。厚労省の調査では収縮期血圧が4mm/Hg下がると脳卒中患者を年間1万人、心筋梗塞患者を年間5000人減らすことができるとされており、適切な腎動脈狭窄症患者への腎動脈ステント留置は、いまだ有効だと思います」(藤原部長)
若年性高血圧の原因の一つである線維筋性異形成(腎動脈が変性し、狭窄している病気)の患者にもカテーテルによる腎動脈治療は有効であることが証明されている。治療により、劇的に血圧が下がることも多い。症例に応じた治療が求められ“適切な”医療機関への受診が必要だ。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2018年6月29日号