アルファベットの起源ともされる文字は、フェニキア人によって東地中海沿岸から北アフリカへと伝えられ、またヴァイキングは北欧からイギリスへとルーン文字を伝えた。古代文字は人々の移動の跡も物語っているのだ。
絶海の孤島イースター島にはロンゴロンゴという文字があったのだが、島の原住民がほとんど絶滅してしまい、知識の継承は断絶された。ほかにも、世界中に未解読文字の存在が確認されている。
編著者は、一つのきっかけ、一つの史料の発見で、状況が大きく変わりうるという古代文字解読は、老若男女問わず参加できる最高の趣味だと熱く説くのである。
※週刊ポスト2018年7月6日号