──それが、予想外の反響となった?
はい。個展を開いたとき、おそらく皆さん、私の作品の前で立ち止まって笑うだろうと想定していたんです。もちろん男性はエッチな目で。そうしたら、若い女性たちが真剣な表情で食い入るように作品を見るんですよ。とくに多いのが20代後半の女性。「勇気をもらえました」なんて言われて。驚きでした。
──マキエさんは20代、30代、どんなふうに過ごされていたんですか?
20代前半のころはイベントコンパニオンなんかやって、蝶よ花よと浮かれたところで生きてました。でも、このままじゃダメになると一念発起しまして。24才のとき、カメラマンになろうと、弟子入りしたんです。それで27才で独立しました。
──思い切りましたね。ご苦労は?
やっぱり偏見の目がものすごかった。当時はまだ女性カメラマンも少ないころで、“女に写真なんか撮れるのかよ!”っていうことはしょっちゅう。おかげで頭に10円ハゲなんか6個ぐらいできてたし、胃カメラもよくのんでました。
──体調の変化はほかにもありましたか?
30代前半のころ、“プチ更年期”みたいな症状があったんです。全体的に体の抵抗力が落ちて、紫外線に当たるだけでも皮膚がかゆくなったりしました。その時期は生理痛もひどくなりました。
──婦人科に相談されましたか?
ホルモンバランスが関係しているのかと思って一応、受診はしたのですが、「まだまだお若いですし」と見た目だけで診断する医師の言葉に愕然として(苦笑)。そのとき、自分の体は自分で向き合ってケアしようと決意しました。
──“プチ更年期”を自力でケアした、その具体的な方法は?
食生活の改善です。添加物の入ったものやジャンクフードは一切口にしない。調味料も、しょうゆなら小麦と塩と大豆だけで造られているものを選ぶようにしました。次第に抵抗力も回復しました。アロマテラピーも効果的でしたね。
──40才のとき、職場で知り合った9才年下の現夫をゲットしたそうですが、9才も年下だとやっぱり変わりますか?
そりゃ、変わりますよぉ(満面の笑み)。若返ります。でも、30代後半からは体力が一気に衰えていくのを実感しますよね。趣味の山登りでも、歩く速度が遅くなりました。