「2014年以降、輸入ウイスキーが顕著に伸長しています。中でもスコッチウイスキーは、国産ウイスキーやバーボンからかなり流入してきており、ここが注目点。スコッチはスモーキーさや本格感が受け入れられており、当社でもスコッチウイスキーを扱っているのでチャンスと考えました。『ホワイトホース』は120年の歴史を持つ商材ですが、ハイボール缶は世界でも初めてとなります」
バーボンは原料のうち、トウモロコシが51%以上と過半を占めるのに対し、スコッチの原料は大麦麦芽などで、サントリーが扱う「ジムビーム」や「メーカーズマーク」などはバーボンで、「ホワイトホース」や「バランタイン」「シーバスリーガル」などはスコッチだ。バーボン、スコッチどちらがいいのかはもちろん、個々人の好みの問題だが、これまでスコッチウイスキーを使ったハイボール缶が空白域だった点に着目したというわけだ。
アルコール度数で言えば「ブラックニッカハイボール」が9%、「ビームハイボール」が5%、そして「ホワイトホースハイボール」が6%と少しずつばらつきはあるが、これも好みによる。
キリン・ディアジオのマーケティング部ウイスキーカテゴリーディレクターの小泉達也氏によると、「『ホワイトホースハイボール』に関しては、香りを引き立てさせるのにちょうどいい度数が6%でした。また、巷では強炭酸がトレンドになっていますが、いかに香りが際立つかという、香りのほうにフォーカスした」とのこと。
ちなみに価格のほうは、350ml缶で178円、500ml缶で240円(いずれも税抜き/参考価格)と缶チューハイより高く、ビールに近い価格帯だ。
キリンの2017年のウイスキー販売の実績で見ると、「ホワイトホース」がトップで、次が「ジョニー・ウォーカー」、さらに「富士山麓」と続く。輸入ウイスキーが伸びている背景としては、国産ウイスキーの原酒不足による流入は限定的で、国産も輸入ものもいろいろな種類を楽しみたいというニーズが年々強まっているらしい。
キリンのハイボール缶は、実は“再参入”で、2010年に一度、「世界のハイボール」を売り出したことがあるほか、同年、コンビニ限定で「フォアローゼス」や「IWハーパー」のハイボール缶を出したことがある。
サントリー、アサヒ、キリンときて、残るサッポロビールでは、「デュワーズ」がハイボールの起源で、バーテンダーからの支持No.1ハイボールという点をアピールポイントにしている。