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2018.07.14 07:00  SAPIO

大前研一氏提案 「カジノよりよほど有力な成長戦略」とは

シンガポールのカジノリゾートを視察する安倍首相(2014年。共同通信社)

 長らく議論が重ねられてきた“民営ギャンブル”がいよいよ動き出しそうだ。カジノを含む「IR(統合型リゾート)実施法案」が衆議院で可決。安倍晋三首相は、IRを成長戦略の一つと位置付けているが、「経済効果7兆円」というのは本当なのか? 大前研一氏が解説する。

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 日本では20年くらい前からカジノ誘致が何度も話題になってきた。たとえば、阪神・淡路大震災の被災地をカジノ特区にしようとか、沖縄で米軍基地のトラブルが起きるたびに観光振興を名目にした“懐柔策”としてカジノを作ってはどうかという話が出ていた。しかし、パチンコ利権との絡みなどがあって、ことごとく頓挫してきた。

 それでも訪日外国人客数が1000万人に満たない2012年までなら、カジノ誘致は意味があったかもしれない。だが、2017年の訪日外国人客数は2869万人に達し、過去最高を更新した。2018年も4月までの累計が1052万人となり、これまでで最も速く1000万人を突破した。

 さらに政府は訪日外国人客数を東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に4000万人、2030年に6000万人に増やすという目標を掲げている。4000万人はイギリス、ドイツ、トルコを超え、6000万人はイタリアや中国と肩を並べることになる。だが、これらの国々は(中国のマカオを除き)カジノ目当てに外国人観光客が集まっているわけではない。

 放っておいても3000万人の外国人観光客がやって来るようになったら、カジノは全く必要ない。未だにカジノを新設している国は、それ以外に外国人観光客を呼び込む魅力がない東欧やバルト三国などが中心だ。

 ちなみに大和総研は横浜、大阪、北海道の3か所にそれぞれシンガポールと同規模のIRを建設して同程度の収益を上げると仮定した場合の経済効果を約7兆円と試算しているが、私はそれは「絵に描いた餅」であり、スポンサー付きの“忖度レポート”だと考える。

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