例えば「ツナ缶より価格は安く、内容量は多い」、「栄養豊富で体にもいい」、「新味のサバ缶や高級サバ缶などバリエーションも増えた」などといった大小の企画がメディアで取り上げられるようになった。
魚缶の代名詞だったツナ缶と違って新味もあり、サバ缶ファンの活動も取り上げられるようになった。2000年頃、作家の島田雅彦がトルコ名物としてコラムでさらりと触れる程度だった「サバサンド」は震災以降、年に何回も紙面に登場するようになり、いまやサバ料理の定番入りをしそうな勢いだ。
空前の売上に沸く「サバ缶」ブーム。今年、「さば缶」「水煮缶」関連のレシピ本はすでに10冊以上発売されている。漁業資源としてサバは一定の管理がされているとはいえ、漁業のあり方含めて課題は山積みだ。サバ缶というアイテムが食卓の認知を得たいま、単に消費するだけでなく、サバという漁業資源とどう向き合うか。それはいま目の前にあるサバ缶をどう食べるかと同じくらいに大きな課題である。