「結局、家出同然で飛び出したんです。夜行バスの中で泣きながら、『絶対売れてやる!』って思って上京しました。もちろんお金もないので、見知らぬタイ人の女の子とシェアハウスしていました。今はもう1人暮らしですが、彼女は一生の親友ですね。タイに戻りましたが、現地にも遊びに行きました。女優業を始めたのは2年前とまだまだヒヨッコなので、バスの中で誓った強い決意をいまも意識して、頑張っています」
建築のほかにも、“プロ級”の腕前を持つのが絵画。現在は二科展への出展を目指して、油絵の制作に取り組んでいるという。
「昔から絵ばっかり描いていて、大学でも建築を学びました。女優としては随分と回り道な人生だったかもしれません(笑い)。ですが、最近はバラエティ番組で絵を披露したり、そうした過去の経験が活きている部分もあります。女優も絵を描くことも『最後までやり遂げる難しさ』という点は共通しているので、常に完成させることを意識して取り組んでいます」
身長172㎝のルックスから“クール”な印象を持たれがちだが、プライベートでは「オタク気質」でズボラなところもあるらしい。
「昔からゲームが大好きで、ずっとゲームばっかりしていたんです。特にファイナルファンタジーシリーズが大好きなんです! あとは甘党で、いっつもカフェオレばっかり飲んでます。よく『ミネラルウォーターを飲んでそう』って言われるんですが、甘い飲み物ばっかり飲んでます」
そんな意外な一面を持つ田中だが、今作で演じる麻衣という役柄にもそうした「個性」を注入していきたいと話す。
「話を追うごとに、ロボットと言われる彼女にも、隠し持つ人間的な部分が出てきます。視聴者の皆さんには、『麻衣のスピンオフドラマが観たい』と思ってもらえるように役に色付けをしていきたいです」
美しいルックスとは裏腹に、多彩で人間臭い魅力を持つ女優・田中道子。今後も彼女の活躍から目が離せない。
【プロフィール】たなか・みちこ/1989年生まれ、静岡県出身。ミスワールド2013日本代表に選出。2016年に女優宣言をし、『ドクターX~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)で女優デビュー。以降、フジテレビ月9『貴族探偵』、NHK大河ドラマ『西郷どん』などに出演。