2015年4月には、栃木県でLINEいじめを受けたとされる母親2人が連続自殺した。2人は学校で子供がいじめられたことからLINEのママ友グループに「いじめをやめてほしい」などと投稿したことで孤立し、ほかの母親たちから「母親失格だ」などとなじられたことを苦にして自殺したと報じられた。ミステリー小説『スマホを落としただけなのに』(宝島社)の著者である作家の志駕晃さんが言う。
「SNSの中で作られるグループは、そのメンバーしかやりとりを見ないため、クローズドで濃い関係になりがちで、少数の偏った意見が世の中全体の正義のようにとらえられてしまう。その結果歯止めが利かなくなり、参加者が暴走していじめなどに発展する恐れがあります」
多くのリスクがあるなか、SNSとどうつきあうべきか。ITジャーナリストの三上洋さんは、「SNSは公共の場との意識を持つことが大事です」と強調する。
「どこで誰が読んでいるかわからないので、誰かを傷つけるような悪口や批判は避けるべき。とくに感情的な言葉遣いをすると誤解されて逆恨みされたり、名誉毀損で訴えられることもあります。文章を書いたら一度は目を通して、“これを読んで不快になる人はいないかな”と考えてからアップすることが大事です」
時には社会的な常識の通じないような人間に絡まれることもある。その場合は、「ミュート機能」が効果的だ。
「相手からのメールなどを完全に遮断する『ブロック』を使うとこちらが拒否していることが相手に伝わり、逆上する恐れがあります。相手の投稿が表示されなくなる『ミュート』ならば、こちらがミュートを使っていることは相手に伝わりません。危険を感じる相手の場合はやりとりに深入りせず、ミュートを使って“黙殺”することを勧めます」(三上さん)
※女性セブン2018年8月9日号