国内

SNS過多な現代、あくまでも「日常を一生懸命生きねば…」

実世界で“見抜く目”を培うことが大切

 多くの人がSNSを使用するようになり、軋轢が生まれやすくなっていると言われている。私たちはSNSとどう付き合っていけばいいんだろうか?

 どれほど私たちの日常がSNSに浸食されているように見えても、ネットはあくまで現実の延長にあるのではないか。ネットニュース編集者の中川淳一郎さんが言う。

「『ネットで発信してそれを多くの人に受け入れられれば人生が好転する』と考える人が多いけど、そうではありません。テレビで活躍する芸能人や特別なスキルを持ったカリスマ主婦のブログのページビューやSNSのフォロワーが多いことからもわかるように、実世界で実績をあげた人間だからこそSNSの世界でも受け入れられるんです。

 私は『フリーランスの心得』的な文章をコンテンツを売ることができる『note』というSNSで書いて、これによりそれなりのお金を稼ぐことができたのも、フリーの編集者として仕事に尽力した結果だと思っている。まずは、日常を一生懸命生きなければ何も変わらない」

 SNSで大成功を収めた「お掃除ブロガー」の東いづみさん(38才)も、ネット頼りになることに不安を感じている。

「私は自分が“掃除の名人”になるとは思わなかったし、ブログを通じて数々のお仕事をいただいたことには感謝しています。でもネットに頼りすぎると大切な実生活が疎かになる気がするし、電車の中で大人が常にスマホ画面を見ていることにも違和感があります。

 確かにSNSはたくさんの人に情報発信できて便利だけど、私は実世界の方が大切です。今後はなるべく“スマホ離れ”をして、リアルの生活を大切にしたいですね」

『スマホを落としただけなのに』の著者である作家の志駕晃さんは、小説執筆のためにSNSの暗部を数多く取材した経験からこんなアドバイスを送る。

「SNSにはセキュリティー面で危険なポイントが多いので、意識して対処しておくべきです。それにネットのやりとりに終始してしまえば現実の世界にいる悪意のある人に気づけない。SNSを使いこなすためにも現実世界でいろいろな人と触れ合って“人を見抜く力”を磨くべきです。とくに最近は買い物から打ち合わせまでネットで済んでしまうけれど、極端に依存するのではなく、リアルな人間関係を補完するためにSNSがあることを意識してほしい。しっかりと地に足をつけて生活し、SNSとは補助的につきあうことが大切です」

 そして志駕さんは、笑みを浮かべてこうつけ加えた。

「そうしないと、いざスマホを落としたときにとても怖い目に遭いますよ」

※女性セブン2018年8月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン