「富山県で7月21日、路面電車が脱線する事故があり、連日の猛暑でレールの温度が上がってゆがんだことが原因と報じられています。これが新幹線のレールだったら一大事です。
レールが歪むくらいだから、暑さによって鉄筋コンクリート造りの建物にも影響があるかもしれない。建造物も『耐震』だけでなく『耐熱』の基準が必要になってくるかもしれません。
中東の砂漠地帯では、熱風を避けるため家に窓を作りません。日本の家の基準も、暑さに合わせてそう変わっていくのかもしれません」
環境ジャーナリストの富永秀一氏も、未来の猛暑の備えとして、「家」の対策を挙げる。
「これから家の新築や改築を考えている人は、断熱性と気密性の高い家を建てることを検討してみるといいでしょう。室内空調が格段に効きやすくなり、エアコンの電気代も減らせます。
自宅の壁を塗り替えるなら、断熱性が高い遮熱性塗料を使用すると家に熱が貯まりにくくなり、夜間の寝苦しさも軽減します。最初は割高でも真夏日の生活が長くなると長期的に考えれば、賢い対策でしょう」
80年後のもっと暑い未来のために、今から準備できることがあるなんて……。
※週刊ポスト2018年8月10日号