◆俳人・堀本裕樹先生からのアドバイス

 夏合宿の一場面をうまく切り取っていると思います。発想はいいですね! ただこの一句だけでは、益子さんの気持ちが読み手に伝わりません。こんな句はいかがでしょうか。

【常念の草の露飲む登山かな】

 原句は字余りだったのでリズムを整え、夏の季語「登山」を使いました。「かな」と詠嘆することで、よりいっそう感情が凝縮されます。

【お互いに汗かいて飲む瓶ビール】──福田薫

 汗をかいた瓶ビールはおいしそうに見えるし、自分が昼間汗をかいた方が、よりビールもおいしく感じる。お互い汗をかいた方がおいしくなるというのが、夏っぽくていいなと思いました。

■俳人・堀本裕樹先生からのアドバイス

 夏の季語「ビール」のなかでも、瓶ビールに目を付けたところが、福田さん独自の視点でいいですね! ただ「お互いに汗かいて」では、作者と誰かのことかなと思ってしまいます。

【我も瓶も汗噴き出して瓶ビール】

 これで自分も瓶も汗をかいていると、はっきりわかります。「瓶」をリフレインさせることで、心地よいリズムも生まれます。

※女性セブン2018年8月16日号

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