その結果、移住一世たちは野菜や海藻、豆腐などを食べていたため長寿を保っていたものの、二世、三世の代になると、それらの食事には目もくれず、肉ばかり食べるようになっていた。そのため40才を過ぎた頃に心臓を侵されて早死にする人が増えたと結論づけている。
最新の知見では、肉食は健康にどんな影響を与えるのか。
発売10日で10万部という驚異の売り上げを記録した『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)の著者、UCLA助教授で医師の津川友介医師はこう言う。
「2015年10月、WHO(世界保健機関)の専門機関である国際がん研究機関が『加工肉は発がん性があり、赤い肉は恐らく発がん性がある』と発表しました。“赤い肉”とは牛肉や豚肉などの四本足の動物の肉のことです。鶏肉は“白い肉”に分類され、健康上の悪影響はないと考えられています。
多くの研究で“赤い肉”や加工肉の摂取が多くなるほど、大腸がんになる可能性が高くなることが明らかになっているほか、脳卒中や死亡率の上昇にもつながる可能性が報告されています」
日本人が食べる肉の量では影響が少ないのでは、との声にも津川医師はこう答える。
「たしかに日本人の肉の摂取量は世界でも比較的少なめですが、食の西洋化で日本人にも大腸がんになる人が増えていることを考えると、多食は避けた方が賢明でしょう」
肉を食べるなら鶏肉を選んだ方がよさそうだ。
※女性セブン2018年8月23・30日号