ZOZOが参入したことで、俄然注目度が高まっている低価格パターンオーダースーツですが、今後のスーツ需要の主流となるのでしょうか?
わたしは低価格パターンオーダーが今後は一定の需要を獲得するとは思いますが、スーツ市場の主流となるとは見ていません。それよりも、合繊機能素材や合繊ストレッチ素材を用いたカジュアルスーツやカジュアルセットアップ(ジャケットとパンツのセット)が主流になるのではないかと見ています。その理由をご説明しましょう。
(1)価格が安い
(2)家庭の洗濯機で洗濯できる
(3)保管がラク
(4)カジュアルシーンにも使える
(5)上下別々にも使える
この5つの理由で多くの消費者に支持されると見ています。
まず、価格ですが、例えば、ユニクロの「感動ジャケット」と「感動パンツ」は上下セットで、定価1万円くらいで買えます。期間限定値引き品や値下げ品を探せばもっと安く買えるでしょう。
また、ジーユーだと定価7000円くらいです。期間限定値引き品や値下げ品を探せば、3500円くらいで買えてしまいます。実際に私はジーユーのスーパーストレッチドライスーツを3580円ほどで今年の夏買いました。ジャーナルスタンダードやナノユニバースといった有名セレクトショップ各社もこの手の商品を発売していますが、定価で2万円ほど。バーゲンだとこれが半額ぐらいにまで下がります。
次に家庭洗濯ができるという点ですが、これらの商品はポリエステルやナイロンが主体で、そこに綿やレーヨンを配合した組成の生地を使用しているため、ウール主体のオーダースーツと異なり、家庭洗濯が可能になっています。いちいちクリーニングに出す必要性がないのでメンテナンスが楽だといえます。
保管も同様の理由です。ウール主体の生地を使ったスーツだと保管に失敗すると虫に食われて穴が開いてしまいますが、合繊主体や合繊素材ならその心配はありません。